思い出の昭和、そして上月町
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(第62話)混沌とした今こそ「ヒューマン・ルネッサンス」を聴こう

<<2008.04.14記>>
1968年(昭和43年)終わりに近づいたころ、当時の人気No1であったGS「ザ・タイガーズ」がリリースしたアルバム「ヒューマン・ルネッサンス」。
JASRACに許可を得る必要があるので歌詞を披露するわけには行かないが、混沌とした今こそ再度見直してもよいアルバムだと思える。
人間の生きる喜びから環境破壊、戦争と移り最後には地球が割れてしまう程の荒廃・・・
最後に驕りすぎた人間を反省し、そして再び地上の楽園を築く・・・という12曲からなるトータルアルバムである。
(1)光ある世界
(2)生命のカンタータ
(3)730日目の朝
(4)青い鳥
(5)緑の丘
(6)リラの祭り
(7)帆のない小舟
(8)朝に別れのほほえみを
(9)忘れかけた子守唄
(10)雨のレクイエム
(11)割れた地球
(12)廃墟の鳩

(1)では神の恵みに敬服し(2)では生まれくる生命を喜び、そして愛は永遠と受け継がれると人間の愛を歌い上げる。
(3)では愛に酔いしれる男を歌う加橋かつみの高音に岸辺修の低音がちゃちゃを入れる。
(4)では個人の幸せの機微を・・・・
(5)では失われた丘の環境が雨の恵みで再び緑の丘に戻り、その幸せよ永遠にと歌い上げる
(6)の「リラの祭り」では祭りの様子を歌い上げる
(7)の「帆のない小舟」では世間に流され、自分の生き様さえままならぬ人生観をあらわしているように聞こえる。
(8)「朝に別れのほほえみを」では戦争に駆り出される若者が故郷に残す恋人を歌い
(9)ではいよいよ出兵。そしてその母はいつか無事にかえってくれるであろう息子のために昔歌って聞かせていた子守唄を思い出しながら練習している。しかし帰還した兵士の中に息子はいなかった・・・・・。そして皮肉にもそのとき母はその子守唄を思い出し、涙でむなしく歌う・・・・
(10)人間の思い上がった所業のせいで雨が降り続ける。鳥さえもねぐらをうしなった。
(11)とうとう地球は割れてしまった(これは完全に環境破壊され、人類も荒廃したことを比喩したものと思われる)
(12)しかし最後に人類は過ちに気づき、そして謙虚になる。生きる喜びをしるのだ。
といったようなすばらしい人類の抒情詩とも取れるすばらしいトータルアルバムである。
確かにバンドとしての技量はどうかわからないが、この収曲はすばらしい。
もっと評価されてもよいのではないか?とつくづくと思う今日この頃であります。
参考http://www.etcrec.co.jp/tigers/renascence.htm
ちなみに筆者は同じアルバムを3枚も持っている。一枚目は当時のオリジナルLPレコード。それがむちゃくちゃに傷んだのでどうしようと思っていたある日、日本橋の某レコードショップで偶然見つけた再発LPアルバムを購入。そして最近CDとして買いなおしたもの。この3枚を所有するほどの筋金いりの「ヒューマン・ルネッサンス」大ファンなのです。
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