思い出の昭和、そして上月町 |
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(第20話)ちょっとなチョコレート私の姉はよくもてていた。顔は決して美人ではないがなぜかもてていた。スタイルも決して良くは無かったがもてていた。高校生のころなぞはラブレターなんてのも何通かもらっていたみたいだ。私といえば背が低くて、短足で顔もも一つだった。しかし、もてていた・・・というのは大嘘で、さっぱりもてなかった。 中学生のとき、あまりに私の短足を女子が笑いやがるので「おまえら女子はええわいや!ズボンとちごうて(違って)スカートだったら足の長さがわかんへんもんな!」とほざいてやった。 しかし、敵もさるもの。 「だったらスカートはいたらええやん」と逆襲を喰ってしまった苦い記憶がある。 さてさて、私が小学生の6年生の頃の1968年の年末に郵便受けにガタリと小さい何かか入った様子。 早速郵便受けを確認しに行くと綺麗に包まれた手のひらより少し大きくて平べったいものが一つ入っていました。 重量感から感じるに「これはチョコレートやな」と思いました。差出人を見るといつか姉の口から聞いたことのある名前の男性だった。しかもクリスマスが近い! 姉が帰ってきたら絶対にご相伴に預かれる。帰ってくるまでまっていようと自分に強く言い聞かせたにもかかわらず、待ちきれない私は「中身を見るだけだったら許してくれるかも・・・」と封を切ってしまいました。 現れたチョコレートは「ザ・タイガース」の箱に入ったものでした。 ジュリーが、ピーが、サリーが、トッポが、タローがバイクにまたがって草原でにこやかにカメラ目線で微笑んでいる・・・・・、そんな図柄の箱に入ったチョコレート。 姉に男性から送られてきたチョコレート。 そのような大事なものをあけてしまったのですから、ここで事の重大性に恐れおののくはずなのですよ、普通は。 しかし、私は次に一口頬張ってしまったのです。 一口だけのつもりが二口目に・・・、とうとうその大きなチョコレートを全部食してしまいました。 さあ、それからどうしたものか。証拠隠滅を図ればよいか・・・それとも正直に白状してしまうか・・・。 姉が高校から帰ってくるまでの時間はあっという間にきてしまいました。 最終的にどうしたか?と言いますと、普段から正直者の私は全てを白状してしまいました。 「ふーん」と一言言ったきり姉は怒りも悲しむこともありませんでした。 よくもてていた姉にとってあまり興味のない相手だったみたいでした。 私が命拾いをした1968年の年末近い夕方のことでした。 <<2005.09.14記>> |
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