思い出の昭和、そして上月町
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(第9話)散髪屋さん

私がいくつの歳のころから散髪に行き始めたのか全く覚えていませんが(あたりまえ?)、ものごころ付いた頃から散髪というと「嫌でたまらない」時間でした。とにかくじっとしているのがつらいのです。まあ、私だけではなかったと思いますが。
さてさて、私が生涯で一度も散髪屋さんを浮気したことが無い、というのは嘘で、一度だけ明石で経験があります。大学生の時で、姉のアパートにお邪魔したときのことでした。しかし、それ以外は絶対に上月の「橋●理容店」でしか散髪をしてもらっていないのです。
なぜならば、散髪がきらいだったので、ましてや初めてのところでは余計にやりたくなかった・・・というのもあります。
しかし、大人になった今ではこの散髪のひと時は何事にも換えがたい至福の時となりました。
私が行き始めた頃の「橋●理容店」は上月駅前にあり、金屋口にあったという昔のことではありません。なにせ、ジッとして居れない私はしょっちゅう怒られていました。今でも散髪中に落ち着きのない子供をみると親しみを感じてしまいます。
その当時の「橋●理容店」は非常に温かみのある店舗でした。天井は板で内装され、側面の窓は斜めの線をあしらってあり、今で言うところの、ノスタルジックな雰囲気、感じが好きだったのですが、残念(?)ながら数年前に新築されたモダンなものになってしまいました。当時の店舗内装の写真を撮らせてもらおうと思ったのですが、現在ではすっかり物置となってしまっているみたいで、写真を撮るという状況ではないというようなことを言ってられましたので断念しました。
じっとしていられない・・・という癖は大人になった今でも健在です。一番困るのが飛行機なのです。国内とか香港あたりまでの2時間くらいのフライトであれば我慢できるのですが、6時間とかいうともう駄目です。お金と暇が無いのでハワイなんて行ったことも無いのですが、昨年にシンガポールに行ったときは地獄でした。行きはまだ良いのですが帰りにはもう駄目でした。狭い空間から自由に出入りができないという強迫観念にかられてとにかくジッとしていられないのです。
眠ってしまえばよいのでしょうが、イライラがつのって眠れもしません。映画もオンデマンドで観られる装置が付いているのですが、これもゆっくりジッとして観ていられない。それこそ「ウォー!!」と大声を上げて大背伸びしたくてしたくて、その衝動に駆られながらの帰路はそれこそ地獄の苦しみでした。三つ子の魂百までも・・・って、かな?
さて、子供のときにはとても「嫌いな」散髪でしたが、終わったときにそこのオバちゃんは「そっと」子供用のガムをくれたのです。「ありがとう」と一言お礼を言いながら椅子から滑り降りるようにして「開放感」をやっとの思いで得られる瞬間がすきでした。
他の町内の散髪屋さんではどうだったか知りませんし、現在の事もわかりませんが、「橋●理容店」では永らく、子供には「ガム」という「素晴らしい」サービスがありました。
<<2005.08.01記>>
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